川口眼科では平成元年の開業以来多くの患者様の目の病気と向き合ってまいりましたが、手術設備がなかったため手術が必要な方には、地域の基幹病院へご紹介したり副院長が近くの病院へ出向いて日帰り手術をしてくるという形態をとってまいりました。その中で患者様より「他院まで行くのが大変」、「川口眼科で手術ができればいいのに」というご意見を多くいただいておりました。
川口眼科には白内障や緑内障、眼瞼(まぶた)疾患、オキュラーサーフェス(眼表面)疾患など手術が必要な多くの患者様が毎日来院されます。家から通院しやすい当院で「日帰り手術」ができれば患者様にとってどれだけ有意義なことかと考えておりました。
そこで平成29年秋季に大規模な改築工事を行い、新たな最新手術設備を完備し、川口市民のみなさまへ安全で質の高い眼科手術を提供することが可能となりました。執刀は蒲山順吉副院長が行います。これまで大学病院や地方の基幹病院で6000件以上の眼科手術を経験してきました。これからもみなさまの声に耳を傾け、みなさまの目の健康のためにできることを模索してまいりたいと思っております。
最新の手術設備とクリーン環境を整えた手術室
全身的に入院の必要性(例えば心臓がとても悪い・足が悪くて通院できない・目に重篤な合併症がある)がなく、通院可能な方は白内障手術は日帰り手術で十分と考えます。欧米では白内障手術はほぼ100%が日帰り手術で行われています。血が止まりにくくなる抗凝固剤(ワーファリン)や血栓抑制剤(バイアスピリン)などの服薬を中止する必要もありません。日帰り手術と入院手術で術式に違いはありません。
「見えにくい」ことで生活に支障を感じた時が手術時期です。
例えば、視力0.3でも日常生活に支障を感じていなければ手術の必要はありません。車を運転する方は矯正視力が0.6以下になると免許の更新ができないため、白内障手術が必要になります。また視力1.0以上でも夜間対向車のヘッドライトや昼間の日差しがまぶしくて見えにくくなってしまう(グレア視力低下)など、生活で困っている場合は手術適応になることもあります。
このように、仕事や趣味など生活スタイルは十人十色です。近所の年齢の近いおばあちゃんが手術したから自分も適応になるわけではありません。でももし迷っていましたらお気軽に医師におたずねください。中には決心がつかず「先生に背中を押してほしい」と思っている方も結構多いのです。
ここに長く一般論を書いてもよいのですが、手術の時期や適応が十人十色なように、手術内容も実は患者様一人一人違います。患者様に実際にお会いし、症状を聞き、目を診察し、そしてどういう見え方になりたいというご要望を伺ってみないとその方に合った手術を決定できません。ですので、白内障手術の一般論については他医院のサイトにゆずります。もしくは蒲山医師が監修した書籍「その白内障手術待った!〜受ける前に知っておくこと〜」(時事通信社)に詳しく書いていますのでご参考になれば幸いです。
とりあえず話だけでも聞きたい、という方も大歓迎です。「執刀医の顔を見たくて来ました」という方もいらっしゃいます。実際の白内障手術のパンフレットや説明同意書をお持ち帰りいただくこともできますので、お気軽にご来院ください。
眼内レンズとは白内障手術時に摘出した濁った水晶体の代わりに挿入する人工水晶体です。眼内レンズは大きく分けて「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。通常の白内障手術で移植される眼内レンズは「単焦点眼内レンズ」です。単焦点眼内レンズを用いても手術前に比べれば大幅な視力の改善が得られますが、ピントの合う範囲が遠方か近方かのいずれかに限られているため、見る距離によっては眼鏡が必要となります。これに対し「多焦点眼内レンズ」は遠方と近方の2点にピントが合うため、眼鏡への依存を減らすことができます。患者様の生活スタイルによっては多焦点眼内レンズの方が快適になることもありますので、ご興味をお持ちの方は医師にたずねてください。
もちろん、単焦点・多焦点それぞれにメリットとデメリットがありますので医師とよく相談しその特性をしっかり理解・納得したうえでご自身に合ったレンズを選択しましょう。中には多焦点眼内レンズを挿入したことで術前よりも見えにくくなる場合もあるのです。
長所:遠くと近くの2点が見えるので眼鏡の頻度が減る
仮に眼鏡が必要になったとしても1本で済む
短所:やや見え方が不鮮明に感じることがある(コントラスト感度低下)
夜間のライトがにじんで見えることがある(ハロー・グレア現象)
保険適応ではないので費用が高い
適した人:見え方の質はやや劣っても構わないのでなるべく眼鏡に頼りたくない
仕事や趣味、スポーツで遠くも近くも眼鏡なしで見たい
適さない人:夜間運転や職業上近見作業の多い方、繊細な色彩感覚が必要な方
(タクシー・トラックなど職業運転手、デザイナー、写真家など)
白内障以外の目の病気を合併しており医師が不適当と判断した方
医師の説明を十分に理解・納得できない方
長所:適宜眼鏡を用いることでクッキリハッキリ鮮明に見ることができる
保険診療で治療を受けられる
短所:裸眼では遠くか近方のいずれかが見えにくくなる
眼鏡が必要になる
適した人:眼鏡をかけることに特に抵抗がない方
より鮮明な視力を求める方
適さない人:なし
保険適応の白内障手術(単焦点眼内レンズ)の場合、片目あたり
1割負担・・・約15,000円
2割負担・・・約30,000円
3割負担・・・約45,000円
これくらいが目安とお考え下さい。
(但し、術式やお薬代によっては変動します。)
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は健康保険は適応されず100%自費負担です。日本では手術費用のみで片目あたり50〜60万円(両目で100〜120万円)前後が相場と言われています。
多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は厚生労働省が定める「先進医療」です。
当院は2019年2月に厚生労働省より先進医療施設に認定されました。手術にかかわる検査、お薬費用には健康保険が適応され、患者様の経済的な負担を軽減することができます。さらに民間の医療保険で「先進医療給付特約」に加入されている方は手術費用の給付を受けることができ、自己負担を大幅に減らすことも可能です。
詳しくは当院にておたずねください。
川口眼科では以下の眼疾患に対して日帰り手術を行っております。
これらの疾患は白内障とちがい外来で治療していく中で医師が必要と判断して手術を決定することが多いものです。他院で治療中の方でも、「自分もこの病気だけど手術しなくて大丈夫?」と悩んでおられる方もお気軽にご相談ください。
緑内障は日本で失明原因第1位の病気です。さらに40歳以上の20人に1人は患っているという実は身近な病気でもあるのです。目薬での治療を基本としますが、コントロールが悪い場合には手術適応となります。
簡単に言うと緑内障に対する最新のレーザー治療です。
目薬ではコントロールが悪い、でもメスを入れるにはリスクや負担が大きいという緑内障患者さんはとても多いです。また目薬をご自身で管理できなかったり点眼回数が多すぎて正しくさせていない方もたくさんいます。そういう方へSLTレーザー治療を行うことで目への負担を最小限に眼圧を下げることが可能です。中には点眼を減らしたりなくしたりできる方もいらっしゃいます。
レーザーと聞くと怖がる方もいますが、SLTは痛みがほとんどなく外来で10分程度で終わり、治療後は入浴や洗顔もその日からできます。従来の緑内障レーザーと違い合併症もほとんどないので安心して受けられる治療です。
「緑内障手術」とひと言で言っても実はたくさんの種類があります。レーザー治療も眼への負担が少ない手術ですが、メスを入れる緑内障手術の中ではトラベクトーム手術は最も低侵襲といえる手術です。さらに効果も大きく目薬を減らせる方も多いです。
日本では2010年に承認された新しい手術です。蒲山順吉医師は大学病院で数多くの症例を経験し埼玉県では2人目となるトラベクトーム手術指導医の資格を有し全国の眼科手術医へ指導も行っています。
トラベクトーム手術は特殊な装置を使用するため当院の近くにあります川口あおぞら眼科へ蒲山医師が出向いて執刀しております。
詳しくは医師にご相談いただき、まず手術の必要性からお話させていただければと思いますのでお気軽にご来院ください。
当院では
・網膜剥離裂孔
・糖尿病網膜症
・網膜静脈血栓症
といった眼底疾患に対し、網膜レーザー治療(網膜光凝固術)を行っております。これらの疾患は放置すると失明に至る病気ですので、発見次第レーザー治療が必要になることが多いです。
当院では
・加齢性眼瞼下垂
・皮膚弛緩症
・下眼瞼内反症
・睫毛乱生症
・翼状片
・結膜弛緩症
・眼窩脂肪ヘルニア
といった眼瞼・眼表面の疾患に対する日帰り手術も行っております。
いずれも保険適応で行えます。